2.4GHz帯プロポについて
運用にあたって
これまで、ラジコン用発振器の電波の利用は、27MHz帯、40MHz帯、72MHz帯、73MHz帯が利用されてきました。昨年からは、2.4GHz帯の利用も始まり、ラジコン愛好家の間でもいろいろ話題となっているところのようです。この2.4GHz帯のプロポは、これまでの発振器に比べて混信に比較的強い通信方式(スペクトラム拡散方式)が採用されており、ラジコン愛好家には大変朗報のようです。スペクトラム拡散通信方式は、当初は軍事目的で研究がなされてきましたが、1978年京都で開催された通信の国際会議において、同方式の研究を推進する旨の採択がなされて以来、民間用システムの応用に向けた研究が加速されてきました。
現在、2.4GHz帯や5.3GHz帯などでこの方式が採用され電波の有効利用に寄与しているところです。これらの周波数帯は、無線局の免許の不要な医療用設備、電子レンジ、無線LAN、電子タグやアマチュア無線などいろいろなものに利用されており、利用にあたってはそれぞれが混信を容認しなければならないこととなっています。したがって、この周波数帯の利用にあたっては、ラジコン同士の混信だけでなく他の利用のものについても十分注意して利用する必要がありますので、ラジコンを運用する場合には、メーカーの取扱説明書や周りの電波環境に十分注意を払った運用が望まれます。
電波法の規制
電波を利用する以上、電波法により一定の基準が設けられています。例えば、現行の27MHz帯、40MHz帯、72MHz帯や73MHz帯の場合は、電波法によりラジコン用発振機に使用する周波数等が定められています。日本ラジコン電波安全協会では、電波の適正な利用や電波秩序の維持のため、総務省の認可を受け、認定基準を制定して電波法の規定に合致したプロポに対して認定シールを貼付し、不法な無線局との差別化を図ってきました。今回、導入される2.4GHz帯プロポも電波法において基準が定められており、総務省に登録した登録証明機関において、技術基準適合証明や工事設計認証により合格したものが使用できるようになっています。合格した場合は、認証マークが入ったシールが貼付されますので、確認することができます。また、当協会においては、登録証明機関では行わない動作確認テストや干渉試験などを行い、正常に動作することが確認できたものについて、登録をしていただくとともに登録証明シールを利用者が見やすい所に貼付して外国からの輸入品や通販等で販売される不法な無線局との差別化を行うこととしています。
是非購入される場合には、こうしたシールが貼付されたものを購入するようにしてください。こうしたシールが貼付されていない不法な無線局を運用した場合には電波法により罰せられることになりますので十分ご注意願いたいと思います。
-
- ■近藤化学
-
- ■日本遠隔制御
-
- ■三和電子機器
-
- ■双葉電子工業
-
- ■小西模型
-
混信がないのか
2.4GHz帯プロポは、比較的混信に強い通信方式が採用されているとお話ししましたが、絶対に混信がないというものではありません。電波を利用する以上、一定の利用環境で混信が発生することも了知して運用することが重要となります。例えば周波数ホッピング方式を採用しているものの場合、同一場所や同一時間にある一定の密集度で一斉に使用した場合は、操作ができなくなるおそれがあります。どの程度の密集の場合に発生するかは、メーカーの仕様により異なりますので、メーカーの取扱説明書にかかれている注意書きを良く読んでいただき、安全に運用されることが必要です。また、ラジコン用発振器は、外国からの輸入品も数多く見られます。その場合、我が国の電波法に基づく認定を受けていない場合があり、それを使用すると電波法違反となりますので、私ども協会に問い合わせていただければ、私どもへの登録がなされたものか、また、登録証明機関の認定をうけたものかがすぐに判りますので、疑問が生じた場合には、日本ラジコン電波安全協会にお問い合わせください。
いずれにしても、安全運用のためには、電波の混信にも十分注意する必要がありますが、決められた場所や安全な場所で運用することが、一番大事なことは、これまでと変わりませんので、ルールを守り安全で安心なラジコンライフを楽しんでいただくことを願っています。