ラジコン用周波数
ラジコン用無線局に対する周波数割り当てと自主規制
1957年にラジコン用無線局に使用できる電波として初めて13MHz帯、27MHz帯、及び40MHz帯(ただし、40MHz帯の電波の周波数帯幅は40.68kHz)の電波が割り当てられました。《13MHz帯は、1998年12月25日(告示第606号)により削除》
しかし、これらの電波は何れもISM(Industrial Cientific Medicalの略:工業用、化学用及び医療用の高周波利用設備をいう。以下同じ。)、また、27MHz帯については市民ラジオ(CB:簡易無線)と共用波であるため、ラジコン用無線局がこれらの設備から発射された電波による混信・妨害を受けるケースが多発してきました。
その後、特に1960年代後半頃から、電子技術の著しい発達とラジコン模型の需要が急激に進展し、また、共用波故の混信や特に大電力の不法CBの横行による事故も増加してきたことから、ラジコン専用波の要望が高まり、1984年11月40MHzの周波数帯幅が40.68kHzから現在告示で規定されている260kHzに拡大され、念願のラジコン用専用電波が割り当てられました。
ラジコン用専用電波の割り当てに伴い、業務用無線局やアマチュア無線局と同様に免許制度の採用が検討されましたが、次の2つの自主規制を行うことでラジコン愛好家の負担の軽減が図られる免許を要しない無線局として取り扱われることが決定されました。
ラジコン専用電波の利用に当たっては、ラジコン用発振器の信頼性の向上及び他の無線局に対する干渉妨害の未然防止を図るため、郵政省告示第895号(1984年11月24日)に定めるラジコン用発振器の推奨規格に基づく適合証明試験を行い管理すること。
ラジコン模型の適正な運用を図るため、ラジコン模型を運用する者をラジコン操縦士として登録し、その利用状況を把握するとともに、これらの者に電波の正しい知識と電波法令等の周知指導を行うこと。
そして、これらの自主規制の業務を適正かつ円滑に実施するための組織として、1985年1月21日に一般財団法人日本ラジコン電波安全協会が設立されました。
※ラジコン用専用周波数の確保、ラジコン愛好家の負担軽減のためラジコン発振器の免許不要化、及びラジコン用発振器の適合証明試験とラジコン運用者を把握し電波法令等の周知啓蒙を行う自主管理団体である一般財団法人日本ラジコン電波安全協会が設立され、また、ラジコン模型が社会的に認知されラジコン運用の安全が確保されたのも、園田天光光氏(元衆議院議員)、鈴木久氏(現協会理事長)、増田勉氏(現日本科学模型安全委員会会長)、大谷円慧氏(現KMA会長)、木村良市氏(現日本ラジコン模型工業会名誉会長)、山崎忠雄氏(日本遠隔制御㈱代表取締役社長)、その他日本ラジコン模型工業会、日本科学模型安全委員会、全国模型専門店会、日本エンジン模型卸会及び各ラジコン模型競技団体等々関係者の並々ならぬご尽力の賜物であります。
その後、関係団体及びラジコン愛好家の理解と支援協力及び協会の自主管理努力に等によるラジコン操縦士登録の増加拡大並びにラジコン模型の著しい普及発展に伴い、1992年8月7日付で72MHz帯の上空用周波数10波が、また、1995年2月28日付で7MHz帯の産業用ラジコンの専用周波数6波が割り当てられ、上空用のラジコン運用の安全性が格段に向上してきました。
ラジコン用無線局に対する周波数割り当てと自主規制
ラジコン用発振器の標準規格適合証明
標準規格適合証明試験
ラジコン用発振器の専用電波割り当てを契機に、電波法の規定に基づき標準規格適合証明試験を昭和60年2月18日から開始しました。試験の内容は、電界強度の測定及びラジコン用発振器自動測定装置による各種特性について測定しております。
ラジコン用発振器の安全性
標準規格適合証明試験に合格したラジコン用発振器には認定証明シールを貼付してあります。従って、認定証明シールが貼付してあるラジコン用発振器は電波法の規格を満足しており、安全で安心して使用することができます。近年、外国から低廉なラジコン発振器が輸入され市場に出回ってきていますがこれらの設備は、日本の電波法の規格に合致せず、また、特性も悪いものが見受けられます。
このようなラジコン発振器を使用すると、他のラジコン運用者への混信を与えるなど事故の原因にもつながる恐れがありますので認定証明シールが貼付してあるラジコン用発振器を使用してください。
ラジコン用発振器の標準規格
(目的)
第1条
この規程は、無線局の免許を要しない模型飛行機、模型ボートその他これに類するものの無線操縦発振器(以下「ラジコン用発振器」という。)の標準規格を定めることにより、ラジコン用発振器の信頼性の向上及び他の無線局に対する干渉妨害の未然防止に資することを目的として、協会認定の「ラジコン用発振器」の技術基準として国内普及を目指す。
(標準規格)
第2条
協会は、郵政省告示第708号第2項第2号(最終改正:1998年12月25日第606号)に定めるラジコン用発振器として、次の標準規格に適合するものを認定基準とする。
通信方式は、単向通信方式であること。
送信設備に使用する電波の周波数の許容偏差は、100万分の40以下であること。
発振の方式は、水晶発振方式、又は、水晶発振により制御する周波数シンセサイザー方式(PLL方式等)であること。
変調の方式は、振幅変調又は周波数変調であること。
周波数偏移は、変調のないときの搬送波の周波数より(±)2kHz以内であること。
変調された電波のスペクトラム分布の包絡線波形において、搬送波の周波数から10kHz離れた周波数における減衰量は50dB以上であること。
スプリアス発射の強度は、給電線に供給される周波数ごとのスプリアス発射の平均電力が、基本周波数の平均電力より40dB低い値を許容値とする。
附則(2001年3月28日)この規程は、2001年4月1日から施行する。
附則(2003年3月26日)この規程は、2003年4月1日から施行する。
第2条 第3項(シンセサイザ方式)に係る確認事項
(1)電波発射中の周波数切替えができない機能を付加すること。
(2)電波発射前の周波数の確認・設定ができる機能を付加すること。
ラジコン発振器用の周波数の使用基準
ラジコン用発振器用に使用できる電波の型式及び周波数並びに用途については、総務省告示第708号により規定されているが、27MHz帯はISMやCB(市民ラジオ)との共用波であり、特に不法CBによる混信妨害を受ける恐れが大きいため安全性の確保に問題あること、また、地上用、水上用のラジコン発振器と上空用のラジコン発振器との混信妨害を未然に防止する必要があることなどを考慮し、ラジコン用周波数の使用基準を策定しているものです。
ラジコン操縦士登録
ラジコン操縦士登録は、当協会の設立に当たって電波管理の基本事業として設けられたものであります。
ラジコン操縦士登録により、ラジコン用電波の利用状況の把握、電波知識に関する周知啓蒙、貴重な電波の適正運用に対する責任と自覚を促し、ラジコンの社会的評価の向上と普及発展を目指して推進しているものです。